茜色に染まる街を、幼い雲雀は一人帰路に着いていた。

本来なら校門に迎えが来るはずなのだが、予定の時間を大分過ぎても、迎えの車は一向に現れなかった。いい加減見切りをつけた雲雀は、一人で歩き始めたのだ。

声を掛けられたのは、その時だった。

 

「雲雀恭弥くん、ですか?」

 

雲雀の前に、いつの間にか現れた長いコートを纏った青年が立っていた。

彼そのものが、夕陽によって造り出された影のようだった。

雲雀と同じ黒い髪、黒い瞳。

黒く長いコート。

そして、その右眼は、奇妙な模様を浮かび上がらせていた。

よくみると、それは感じの六である事がわかった。

もう片方とは色の違うその目が、見えているのかいないのか、判別はつかない。

 

「だれ?」

 

青年はその問いかけには答えずに、赤く染まった頬に、柔らかい貼り付けたような微笑を浮かべて佇んでいる。

 

「こんな時間に一人で帰っては危ないですよ」

 

誰かに攫われてしまうかもしれません

 

密やかに耳に忍び込んできた声に、雲雀は息をとめた。

青年こそが、その人攫いのように見えたから―――

けれど、

 

「別に、かまわないよ」

 

雲雀は攫われて、自分が消えてしまったって、構わないのだ。

むしろ、今消えてしまった方が、いいのかもしれない。

これ以上、両親を哀しませずにすむ。

 

「誰かと一緒にいて、もっとずっと哀しませるより、一人のほうがいいから」

 

きゅっと背負ったカバンの肩紐を握り締めた、小さく稚い手。

佇む青年は、雲雀の言葉に小さく眼を見張った。

やがて、その貼り付けていたような、冷たい笑顔が、ふと綻んだ。

 

そうすると、驚くほど優しい顔になる。

 

今までは、とても恐ろしかったのに。

 

「きなさい」

 

緩やかに伸ばされた手は、街と同じく茜色に染まっていた。

節くれだった、大人の男の手。

 

青年がなにを言っているのか。

分からずにその手を見詰める雲雀に、彼はもう一度言った。

 

「一緒にいきましょう、恭弥」

 

内になにか、熱いモノを、押し込めた、危うい声。

温度の高い、声だった。

 

その。

伸ばされた手を、どうして取ってしまったのだろう。

 

ただ、慈しむような、喰らい尽くされてしまいそうなその眼差しに、縋りたかったのかもしれない。

 

温もりが欲しかったのかもしれない。

 

誰も哀しませないよう、自分がつらくないよう、

一人でいることを、決めたけれど。

 

本当は、とても寂しくて、苦しかったから。

 

伸ばされた手を取った雲雀の軽い体を抱き寄せて、青年は一つの名前を雲雀の耳に囁いた。

 

それが、青年の名なのだと、雲雀は口に出した。

 

「むくろ」

 

雲雀が呼ぶと、青年の――骸の顔が笑み崩れた。

 

「いきましょう、恭弥」

 

小さな雲雀を抱き上げて、

骸は、

その夕焼けに沈む街から、姿を消した。

 

 

 

駆け抜けたのは、衝動。

頑なに他人を拒む瞳に、自身を映したいと、思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

この子がこんなにも甘やかな気持ちを教えてくれるなんて、僕は思いもよらなかったのです―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NEXT

 

 

やってしまいました…

子供骸を書いてる最中、逆の子供雲雀を拾う骸いいよなぁとか考えて萌えてしまった結果です…

幼少雲雀は絶対可愛い!!

そしてなぜか、雲雀が大人だとほのぼのなのに、骸だとなぜこんな妖しくて犯罪ちっく…奴が変態だからか!!(すみません)

ってか、骸に拾われて、骸大好き好きスキーvで骸に尽くす雲雀!!

んで、シャマルやらディーノやらに負けて臍をかんで癇癪起こす雲雀!!それを骸が慰めるの!!

骸は子供のころからバカみたいに強いけど、雲雀は年相応であんまり体力ないし体も弱いから、負ける相手は結構います。ここでは年上の山本とかにな!!

そいでもって、「サニー・レイニー・デイ」では雲雀が骸に手を出されるのは、骸14.5くらいなんだが、こっちじゃ拾われてすぐの10歳くらいでヒバリたん手を出されたと思う。(犯罪だから!!)

ちっさい唇を貪って、ちっさい舌を噛むんだよ。どこもかしこもふにふにしてるヒバリちゃんを食べちゃうの!!(変態!!)

「サニー・レイニー」の方も終わってないのに…書き始めてしまいましたよ…えへへ

でもって、犬と千種と仲良しこよしですvvv