「雲雀恭弥くん。僕と結婚してくれませんか?」

 

 

様は風紀委員長

妻乞い

 

 

ボロ雑巾のように自分が叩きのめした相手の手を握って、真剣にプロポーズしてくる六道骸と言う男に、雲雀の頭は真っ白になった。

「は?」

骸はこれ以上ないほど真面目な顔で答えを待っている。

「……頭、大丈夫?僕、まだ一度も殴ってないんだけど」

ようよう絞り出した声は、かなり呆れ果てたものだったが、しかたあるまい。

「僕は至って本気ですよ?自分で言うのもなんですが、お得な物件だと思います。高収入で部下も大勢いますから苦労はさせませんし、顔も悪く無いですし。今時の国際社会で生きていくのに大切な外国語も、イタリア語から始まって、英語フランス語ドイツ語中国語とパーフェクトです。夜の生活だってバッチリ満足させる自信があります」

ワンブレスでここまで言い切った男に、本当になんといっていいのやら。

「あのね」

あほらしさに脱力していく雲雀に、しかし骸はこれで最後とばかりに極上の笑みを浮かべてのたまった。

「一番に、貴方より強いですよ?」

正直に言おう。

ぐらりと来た。

お金も(無いよりはいいと思う)顔も(まぁ醜いよりはいい)頭も(できた方がいいんだろう)夜の生活も(雲雀は淡白だ)興味は無いが、はっきりいって自分より強いという所にはたまらなく魅力を感じる。

それは雲雀が相手に好意を持つのに必須条件で絶対条件だ。

例えどんな相手であろうと、それこそ赤ん坊にしろ動物にしろ、それだけでかなりの事を許せる自信が雲雀にはある。

ちなみに雲雀は浮気や一夫多妻制には反対なので、あの赤ん坊に愛人が何人も居るというのは許容できても推奨は出来ない。

雲雀は目の前の男を品定めして、今までの男達と計りにかける。

自己申告したとおり、かなりいい物件だろう。

「……浮気、しない?」

「勿論しません」

「愛人とか、まさかいないよね」

「援助交際相手(M・M)はいますが、手を切ります」

「そう……じゃあ、いいよ。結婚してあげる」

出会う前の遊びの一つや二つなら、見過ごしてやろうと雲雀は寛大に考えた。

「ありがとうございます、雲雀くん。絶対、幸せにします」

熱く誓う骸に頑張ってねと声をかけようとしたところで、男の口から問題発言が飛び出した。

「あ、連れ子が二人いますけど、構いませんよね。もう「はい」っていいましたものね」

咄嗟に前言を翻そうとした雲雀は、男の手を握る力に、不吉なものを感じて押し黙った。

黙った雲雀にニコニコと笑いかけて、骸は部屋の外で待っている子供二人の名前を呼ぶのだった。

 

 

並盛中3年、風紀委員長、雲雀恭弥。

本日、黒曜中の六道骸と結婚して、2児の母になりました。

 

 

 

 

すみませんすみません!!またまたやらかしてしまいました…

 

六道さんちは普通の家庭。

黒曜中学校に通う旦那様。

同じく黒曜中学校に通う長男坊。

またまた同じく黒曜中学校に通う次男坊。

でも、たった一つだけ変わった事が在りました。

なんと、奥様は並森中学校に通う、風紀委員長だったのです。

 

このフレーズが頭から離れなくなってしまって!!風紀委員長まったく関係ない話ですが!!子供は言わずと知れた犬に千種v

家事は偽ムックがやります。

ムキムキマッチョなあの体でかろやかに動き回り、掃除洗濯炊事と完璧にこなします。(お前偽骸をなんだと…)

それを尻目にパパンとママンはなんだかんだでイチャコラしてるといいよ!

飛ばしたハートがスコンスココンと息子たちに当たるくらい!

息子二人は近付こうとして、ハートの連打に諦めます。こんなんですが、家族仲はすこぶる良いです。

拍手でこっそりとネタが続く限り続けようと思うこのシリーズ。

今のタイトルにしようか、オードソックスに「愉快な六道一家」にしようか迷いました。これでも

でも、六道一家だとまんま極○モノな感じだったのでこちらに(笑)

バカめと生温い目で見守ってやってください。