いったい幾度君とまみえたことでしょう

いつだって君は鮮烈に潔く、いっそ危うい。

 

それは祈りにも

似たしぐさ

 

じっと片足を抱え込んで動かない雲雀の前まで来て、骸は静かに膝をついた。

それにもぴくりとも反応を返さない強情さに、貴方らしいと密やかに笑う。

骸がその顔を見ようとしても、頑なにうつむけて此方に向けてくれない。

仕方ないと、また優しい吐息を零して、そっと手を伸ばした。

「…貴方は覚えてないかもしれませんが、こうして会うのはもう5度目なんです」

両手で頬を押し包んで、ゆっくりと持ち上げれば、ぬば玉のしなやかな流れの間から不思議そうに己を映す瞳が現れる。汚濁に塗れる事なく、あどけないとさえ言えるそれ。

どれだけ姿形が変わっても、この存在を間違えることなど決して無い。

「この灰色の世界で、いつだって君だけは鮮やかに色付いて僕の眼に映る」

様々な出会い方をした。

友であった時も在った。

肉親であった時もあった。

敵として出会ったこともあれば。

客と商品として出会った時も。

いつだってどんな時だって、その魂に惹かれて恋に落ちた。

「今度こそ、今度こそと、いつだって願いながら死んでいくのに、僕はまたこうして独りになってしまった」

覚えている。

独りが怖いと物言わず怯える己を抱き締めた優しい腕を。

一緒にいてあげるからと繋がれた手を。

「なにを」

慕情の込められた眼差しに、雲雀は惑乱して逃れようともがいた。

なぜそんな愛おしげな顔をする。

混乱に、雲雀はこの男から少しでも離れたかった。

知らない知らない。

こんな想いは知らない。

僕にそんなものを求めるな。

恐怖すら覚えるその感情。

けれどそれを許さず、骸はその顔を捕える手をぐっと強くする。柔らかな肉に減り込む指先に、雲雀が怯えにも似た表情に顔を歪めた。

「でも、また会えましたね」

酷く満ち足りて、骸は微笑む。

約束だと、童子のように指切りをした。

ひとりにはしないと、君がくれた約束。

「それだけで、もういいんです。君は、僕を覚えていないけれど。もう、それで構わない」

どんな風に出会っても、君は必ず其処にいてくれた。

この世に産まれて落ちて、それでも、いつだって同じ時に。

「どんな関係であろうと、貴方が、僕とこうして同じ時、同じ世界、同じ場所に生きている。それだけで、どれほど救われることか」

投げ出された手を取り、掌を触れ合わせる。

小さな隙間が開いていて、それでもその空間すら暖かい。

「何度でも別離れて、何度でも廻り会いましょう」

こつりと額を合わせて、眠るように瞳を閉じる。

君の息遣い。

君の呼吸。

全部全部、覚えている。

「繋いだ手は離れてしまいましたが、ほら」

こうして、また出会えたこの奇跡。

組み合わせた手の温度すら、忘れてはいない。

「僕と貴方の縁は、未だ続いている」

 

触れあい、絡めあった手は、

 

神に祈る仕草にも似ていた。

 

 

 

 

ホントもうこの腐れた頭をどうにかした方がいいと思います…

何故だ…何故こんなに甘くなる…目指しているのはドメスティックバイオレンス…それなのに何故!?

わたしの頭はよっぽど沸いているみたいです…

ちょこっとどなたかこの頭を消毒してくれませんかね…